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ヒトES細胞由来インスリン産生前駆細胞の応用例

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ヒトES細胞由来インスリン産生前駆細胞をTheracyteという2層のカプセルデバイスに入れ、1型糖尿病モデルマウスを治した例が報告された!


www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1873506114000300


この論文のではTheracyteっていうカプセルがすべてなのだが、面白い知見が多い。


Theracyteが何者なのかよくわからないが、免疫担当細胞は通らず、栄養因子は通し、ヒトES細胞由来インスリン産生前駆細胞はβ細胞に分化するということだろう。

インスリン前駆細胞っていうのは、ぼくの記憶が正しければ、インスリン分泌量がβ細胞に比べて圧倒的に少なく、糖依存的なインスリン分泌もなかったはずである。
これが、生体内に入れておいたら、勝手にβ細胞っぽいものになるのであれば、そのプロセス(分子生物学的な作用メカ)はブラックボックスでも臨床応用が近くなるだろう。

残る課題は、150日以上の細胞、Theracyteの耐久性だろう。
何せ、糖尿病は完治しないので、ずっとインスリンを出させなければならない。

iPS細胞への応用ももちろん可能であるので、日本でもこの手の研究は今後成熟していくだろう。

非常に面白い研究。