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【書評】サラリーマンだけが知らない好きなことだけして食っていくための29の方法-立花 岳志さん

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ぼくの最も好きなブロガーの1人、立花さんの新書が出た。

普段はAmazonなどのネットでポチが多くなったが、今回ばかりは自らの手で本を探そうと決めて、2件目で残り1冊をゲット!

ブログなどで書かれている立花さんの考え方ともちろん重複するところはあるが、1冊の本にしてまとめると、著者の考え方とこれまでの行動がスムーズに理解できる。

とくに行動。

こう考えて、のところは良い本が沢山あるが、で、どうすんの?の行動のところを著者自らの多くの体験談(特に多くの失敗談)として書かれているところがこの本の大きな特徴だ。

著者はいわゆるノマドだが、ぼくのいる製薬メーカーの研究や開発などの組織は個人でコンサルタントなどをしている方を除くと、基本的には組織に属して仕事をしている。

ぼく自身、今も、そしてこれからも組織に属して働く予定だが、そんなフリーになる気が全くない人に対しても本書はマストバイだ。

立花さんの言う自由とは、組織に属そうが、属しまいが、自由ってその心構えと行動なんだな、と気づかせてくれる。

29の方法について、特にぼくの心に響いたのは、以下の4つだ。

  • 3.  自分だけの「軸」にしたがうことに徹する。
  • 7. 「本当に自分がやるべきことなのか」を考える。
  • 21. やりたいことがあるなら、やらないことも決めなさい。
  • 24. いつも三日ぼうずな自分は「素晴らしい」
3. 自分だけの「軸」にしたがうことに徹する。

自分軸とは「認識と行動が一致すること」で、自分軸を作るということは目指す自分、つまり自分の意識に向かってひたむきに行動していくこと。

人は何となくなりたい自分がいて、でもその人とは程遠い自分がいて、そんな自分はダメだなぁ、と思っていることが多いだろう。

少なくともぼくはそうだ。

でも、なりたい自分を明確に認識することがまず大事で、そして行動!
認識と行動が一致する、つまり、なりたい自分に向かって行動するのみだ。

しかし、この行動を習慣化するのがすごく難しい。
習慣化に対しての著者のアドバイスが21と24に書かれたことなのだろう。


7. 「本当に自分がやるべきことなのか」を考える。

あなたが生きるミッションは何ですか?
「お金持ちになりたい」「有名になりたい」「社長になりたい」「本を出版したい」など「自分が」どうなるかを中心に「やりたいこと」が決められていきます。そして自分のやりたいことがある程度実現してくると、僕たちはより社会的な存在へと変化していくことが多いのです。

会社とか、会社内の部署ごとにすごくかっこいいMissionとかMission Statementというのは普通存在する。

でも自分のMissionは?となるとなかなか難しい。

これは本を読み終わってから数時間ボケっと考えて、今現在ぼくがMission Statementとして考えたものは、恥ずかしいが以下のようなものだ。

家族、友人、会社の人など周りの人を笑いの耐えない幸せな状態にしたい。そして、仕事では新薬を患者さんに届けることに微力ながらも貢献し、今まで救われなかった患者さん、そして患者さんを思う周りの人を笑顔にしたい。


ちょっとクサい感じだけど、笑い(笑顔)と幸せがぼくのキーワードだ。

そのために薬学部で勉強して製薬メーカーに勤めているのだ。

なんか初心を思い出させてくれる経験になった。

ただ、このクサいMission Statementは早急にかっこ良く直す必要がありそうだ(笑)

そして、薬学部の教授が言ってくれた学生時代に感動した言葉も同時に思い出した。

お医者さんは一生かけてもせいぜい数千人しか助けられない。でも、ひとつ画期的な薬を作ることができれば、それこそ何百万人もの患者を救うことができるポテンシャルが創薬にはあるんだよ。

母が比較的若くして癌になり、手術をし、抗がん剤で髪の毛がばっさり抜けたのを見ると、なんで治す薬がないんだ!と製薬メーカーの無力さ、サイエンスの未熟さを思い知らされた。

普段は仕事に追われて忘れがちなことだが、この思いを忘れずに研究や開発に携わる人は仕事をするべきだろう。


21. やりたいことがあるなら、やらないことも決めなさい。


何かを「する」と決めたときには、必ずセットで「しないこと」も決めるのです。
「やらない」「持たない」を定義していくことで、逆に「やる」「持つ」が先鋭かされ、クリアに見えてくるのです。


仕事では、いわゆるnot to do listなるものは忙しいときには作っていた。

これがないとやるべき仕事が後手後手になってしまうからだ。

でも、これをプライベートにまで落とし込む発想がぼくには欠落していた。

過去の反省では、TOEICの勉強をはじめよう!と決意しても、何とか時間を捻出したり、睡眠時間を削ってみたりしながらとりあえずはじめてみる。
でも結局、「仕事が最近忙しいから」を言い訳に習慣化できないことが多々あった。

はじめからスケジュールにその「コマ」を空白にする必要があったのだ!
これはぼくにとって大きな気づきだった。

24. いつも三日ぼうずな自分は「素晴らしい」

何か新しいことにチャレンジしたときに、もし三日ぼうずで終わったならば、そのことを責めるのではなく、大いに褒めてほしいのです。「3日も続けてできた!」と。
3日実行して1日休む。三日ぼうずでも100回繰り返せば1年で300回も実行できることになるのです。

 

習慣化には当たり前だが、時間がかかるし、忍耐が必要だ。

いつもなかなか長続きしないで自分が嫌になるけど、それまで続いた自分を褒めていいんだ!というと心が楽になる。1日休んで3日やる、でも充分!

習慣化のプロらしい、素晴らしい発想だ。


こんなに長い書評になったのははじめてだ。

でもそれだけ心に響くテーマが多い一冊だった。


セミナーや飲み会も時々開いている立花さん。

いつかセミナーに参加して本人に会ってみたいなぁという思いが強くなった。 


学生、社会人、ノマド、会社員、主婦、主夫。皆にオススメできる一冊でした!


サラリーマンだけが知らない好きなことだけして食っていくための29の方法

サラリーマンだけが知らない好きなことだけして食っていくための29の方法