Never Stop My Curiosity

知的好奇心の赴くままに。

2013-01-01から1年間の記事一覧

まさかのfasiglifam開発中止

fasiglifam開発中止 武田薬品工業のGPR40 agonist fasiglifam (TAK-875)はGPR40 agonistとしてfirst in classが約束されているかのような薬剤であった。 Phase2までは非常にキレのある薬効と高い安全性が示されていたが、まさかの肝臓における安全性の懸念か…

【書評】やるべきことが見えてくる研究者の仕事術(島岡 要)

ビジネス書から学んだエッセンスがギッシリ! 本書は実験医学で島岡さんが連載されていた「研究者のためのプロフェッショナル根性論」とオンライン・マテリアルに加筆・修正を加えてまとめた本だ。 実験医学では何度か連載を見たことがあったが、本になって…

AdipoR agonistは糖尿病に有効か?

AdipoRon 先日、東大の門脇先生のグループからadiponectin受容体(AdipoR1, R2)を活性化する化合物(AdipoRon)が発表され、Natureに掲載された。さすが日本を代表とするラボである。AMPK, PPARαを介した薬効であり、両シグナルがKOマウスできれいに切れる。た…

書評-炭素文明論「元素の王者」が歴史を動かす 佐藤 健太郎

有機化学って何?の方から製薬メーカーケミストまで楽しめる一冊! 今年読んだ科学系の本では“ヒトはなぜ太るのか?そしてどうすればいいか-ゲーリー・トーベス”が断トツだな、と思っていたが、今回紹介する炭素文明論は全く趣旨が異なるものの、年間ベスト…

服薬中止後に何年にも渡って体内に残る薬

ブロックバスター候補Anacetrapib AnacetrapibはMerckが現在Phase3で臨床試験中のCETP ihibitorというカテゴリーに属する薬である。 善玉コレステロールであるHDLコレステロール濃度を上げ、悪玉コレステロールと言われるLDLコレステロールを減らす、究極の…

経口インスリン薬が2010年代に発売!?

http://uk.reuters.com/article/2013/10/09/us-novonordisk-oramed-oralinsulin-idUKBRE99804N20131009インスリンを世界で一番売っている会社であるNovo Nordisk(以下Novo)とイスラエルの小さなバイオベンチャーOramedが経口インスリン薬(oral insulin)を…

予防医薬は可能か?

月刊事業構10月号を購入してみた。 アンジェリーナ・ジョリーがカバーの人タイトルが ””グローバルに起こる予防医療へのシフト 未来の医療がはじまる” 記憶に新しい人も多いかと思うが、アンジェリーナ・ジョリーは乳がん発症の予防のために両乳房を切除する…