SanofiがMannkind社の吸入インスリンAfrezzaをライセンシング!
Afrezzaを手にしたのは、なんとSanofi!
http://online.wsj.com/article/PR-CO-20140811-900182.html
基礎インスリンLantusでで圧倒的なシェアを獲得しているSanofiが今年の6月にFDAから承認を受けたMannkind社の吸入インスリンAfrezzaのグローバル開発・販売のライセンス契約を締結した。
$150mの前払いと販売目標に応じて最大$775mの支払額となるようだ。
FDAから承認を受けた糖尿病治療薬としては、かなりお買い得といったところだろうか。
やはり超速効型インスリンの2強であるLilly, Novoの製品と競えるほど大型製品にはならないということの裏返しとも読めるかもしれない。
1型、2型問わず、超速効型インスリンは基本的には、基礎インスリンと一緒に投与することが多い。
そのことを考えると、すでに注射をしている人にこの吸入のインスリンはどれほど利便性が良いのか、やや疑問が残る。
注射の回数が少ない方が良いのは理解できるが、意外とカートリッジを何度か取り替えて吸ったり、時々ゲホゲホしながら吸うのは注射の慣れた患者にはむしろデメリットとなる可能性もあるのではないだろうか。
LantusはSanofiにとって、まさにドル箱だが、来年でアメリカで特許が切れ、今後LillyとBIの連合軍をはじめ、いくつかの会社がLantusのBiosimilarの準備をしている状態だ。
Sanofiにとっても糖尿病でのportfolioを守るために重要な商品になるのかもしれない。
吸入インスリンといえば、Pfizerが2006年にアメリカで販売したExuberaがある。
Pfizerはブロックバスターとして期待して上市したものの売り上げが伸びず、すぐに撤退したという薬剤だ。
ただし、Exuberaと比較すると、Afrezzaはデバイスとしての大きさや使いやすさは比べ物にならないので、Exuberaの失敗の二の舞になる、というには時期尚早だろう。
このWSJのニュースを見て驚いたことは、Mannkind社のCEOであるAlfred Mannさんはなんと88歳!
88歳でFDAの承認とビックファーマとの提携という大きな夢を叶えたCEOをちょっと応援したくなった。
頑張れ、おじいちゃん!!