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Rani Therapeuticsの技術の詳細が明らかに!

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Rani Therapeuticsの技術は'Robotic' Pills

 

Googleの支援を受けているRani Therapeuticsのタンパク質を経口で吸収させる技術がWSJに掲載されていた。

 

http://online.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304899704579389042422328308

 

鍵は薬剤が充填された糖でできた針 'needles made of sugar and preloaded with drugs'だ。

 

簡単に要約すると、以下のような技術である。

 

pHが小腸のレベルまで高くなると(小腸は弱アルカリ性外側のポリマーが溶解し、内側の弁が露出し、そこからクエン酸と重炭酸ナトリウムが分離する。

弁が露出した際にこの2つの物質が混ざり、二酸化炭素が生成される。

これがエネルギー源となり、風船のような構造が静かに膨らみ、薬剤成分をあらかじめ含有させた糖でできた針がその中に含まれる。

その針が小腸内壁に刺さるが、そこには痛み受容体が存在しない。

一度刺さると、装置から離れ、ゆっくりと崩壊する。

一方、風船(二酸化炭素)やポリマーは体外に排泄される。

 

う~ん、製剤化が難しいし、普通の錠剤やカプセルよりもずっとお金がかかりそうにも思えるけど、アイディアがすごく斬新。

特に糖でできた針に薬剤を充填させるという発想は普通の製剤をやっている人ではあまり考えないかなぁ、と。

そして、いかにもGoogleが好きそう()

 

さらに、こんな記載も。

Rani Therapeuticsは前臨床試験でこのRobitic Pillsは少なくとも注射と同様に吸収を高めたことを示した。

 

動物レベルでは有効性を示せたということで、あとはヒトでも血中濃度が安定して上がるか。

そして気になる点は食事とのタイミング。

やはり食後ともなるとこの針が消化された食べ物に刺さって吸収されませんでした、となると思うので、空腹時が想定されるだろう。

となると、インスリンの場合はおそらく基礎インスリンを想定していると思われる。

そしてインスリンだけでなく、抗体医薬を充填したりも理論的には可能だろう。

 

ドラえもん級の発想に脱帽だが、ホントにこんな技術が実用化できるのか、ちょっと疑問が残る。