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PhRMAの糖尿病治療薬開発リスト

アメリカでの糖尿病治療薬、糖尿病関連薬の臨床入りは180!

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アメリカは言うまでもなく、製薬メーカーにとって世界最大のマーケットであり、最も多くの薬が臨床入りしている。

PhRMA(米国研究製薬工業協会)が現在臨床試験中の糖尿病治療薬のリストを公表した。
その数、なんと180!


リストをザッと見た感想は4, 5年前に多くの会社が手掛けていた有望と思われていたターゲットがほぼ終わった、またはかなり少なくなってしまった感じ。
それらのターゲットとは、

  1. DGAT1 inhibitor
  2. GPR119 agonist 
  3. 11beta- HSD1 inhibitor
  4. Glucokinase activator

などだ。

これらの標的は1だと脂肪の多い食事のあとにお腹がくだるとか、2だと薬効がすぐ切れちゃうらしいとか、すでに論文や学会で発表があったものが多いので当然だろうか。

唯一、4に関してはまだPfizerがpartialなものを開発していたり、AmgenがGKRPとの結合を乖離させる化合物をNatureに出したり、肝特異的なものを研究している会社があったり、期待が持てるかもしれない。

ターゲットとしては臨床での有効性が保証されているGLP-1関連薬、SGLT2 inhibitor、インスリンが多く、少し残念なことはインスリン抵抗性改善薬があまりないことだろうか。

詳しいことはわからないが、第一三共がいかにもインスリン抵抗性改善薬っぽいものを臨床に入れている。

DS-1150b
(GLUT4 stimulant) 


GLUT4は骨格筋等に発現しているインスリン感受性のグルコーストランスポーターで、インスリン抵抗性状態ではこれの膜への移行が障害されていると言われている。

これがPPARγ agonistでした、ではがっかりだが、数少ないインスリン抵抗性改善薬らしきものに注目だ。