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【書評】最後の授業 ぼくの命があるうちに

死を宣告されても前向きに生きる父親に感動!


最後の授業 ぼくの命があるうちに (RHブックス・プラス)


コンピューターサイエンスの世界的権威であったランディ•パウシュさんは膵臓癌が転移し、余命数ヶ月となった。

本書は死ぬ前に自分の小さな子供達に自分の軌跡とこれからの生き方を教えるために書かれた本だ。

子供のいる父親はもちろん、前向きに生きる力がほしい人が読むのにぴったりな本だ。

ランディさんは子供の頃からの夢をほとんど叶えてきた。
彼の子供の頃の夢は以下の6つだ。
  • 無重力体験をする
  • NFLでプレーする
  • ワールドブック百科事典を執筆する
  • ぬいぐるみを勝ち取る
  • ディズニーのイマジニアとなる
職業柄叶えることができた夢、百科事典の執筆などもあるけれど、夢が叶えられるチャンスが少しでもあれば、どんな苦労もしてでも、規則をかえてでもチャレンジする行動力は彼の最もすぐれた能力だ。

壁を乗り越える時に(奥さんをゲットするときにも使った笑)ランディさんが何度も言っている言葉が印象的だった。
この言葉を忘れないだけでも本書を読む価値は充分にある。
レンガの壁がそこにあるのには、理由がある。何かをどんなに真剣に望んでいるのか、証明するチャンスを与えているのだ。


常に前向きで楽観的なパウシュさんが本書に残してくれた人生観はいくつも共感できる。

子供に20年かけて教えるべきことを数ヶ月間という期間で凝縮させた本書は父親としての振る舞いもお手本になりそうだ。

ぼくが気に入った言葉は以下のものだ。

  • 時間をお金と同じように明確に管理する- 手すりの裏側をどんなに磨いても意味はない
  • 計画はいつでも変えられるが、計画がなければ変えることもできない- リストを作ると、人生を細かいステップに分けて考えやすい
  • 代理を頼む- 一歳半のクロエちゃん自身に哺乳瓶を持たせてミルクを飲ませると、ランディさんもクロエちゃんも満足できる
  • 息抜きをする- 自分に残された時間は思っていたより少ないと思う日が来るかもしれない
  • ときには降参する- つまらない根比べをすていられるほど、人生は長くない
  • 不満を口にしない- 不満を言っても何もはじまらない。時間もエネルギーも限られている。不満を言うことに時間を費やすよりも、目標を達成することを考えたいじゃないか
  • 何を言ったかできるなく、何をやったかに注目する- 男の品定めはこれでオーケー
  • ひたむきに取り組む- 一生懸命やることは銀行口座に複利がつくようなもの
  • 準備を怠らない- 楽観主義のランディさんでも何か決断を下す時は最悪のシナリオを想像する。(オオカミに食べられるかもしれない可能性)
  • とにかく頼んでみる- コンピューターサイエンスの世界的権威の先生にアポをとったことが先生とのコネクションや奥さんとの出会いにつながった
タイトルにある最後の授業はランディさんが、カーネギーメロン大学で最後の講義とも話がつながっている。
この講義はYouTubeなどでも見ることは可能だ。
すごい視聴数を記録したらしい。
比較的平易な英語なので、時間がある方はぜひ見てほしい。


最後の授業 ぼくの命があるうちに (RHブックス・プラス)

最後の授業 ぼくの命があるうちに (RHブックス・プラス)