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SGLT2阻害薬の副作用update

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JDSからSGLT2阻害薬の適性使用に関するに関するrecommendation、脳梗塞にも注意が必要か


JDS(日本糖尿病学会)からSGLT2阻害薬発に関するrecommendationが発表された。
ちょうど、発売して1ヶ月後の発表だ。

www.jds.or.jp/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/uid000025_7265636F6D6D656E646174696F6E5F53474C54322E706466


これによると、副作用は

  1. 低血糖: 単剤では起こりにくいものの、SUやインスリンなどと併用することで、起こりやすくなる可能性あり
  2. 脳梗塞: 使用した患者さんの母数はわからないが、すでに3例あり。やはり脱水があるので、老人にはあまり積極的に使用しない方が良いかもしれない。特にこれから夏ということで脱水による影響を受けやすい季節になるので、脳梗塞心筋梗塞などのCVイベントの発生が増える可能性が考えられる。
  3. 全身性皮疹、紅斑:これは前回書いたとおり、イプラグリフロジン特有のものか、SGLT2阻害薬のclass effectかは不明。臨床試験ではほとんど認められなかったとの記載がある。
イプラグリフロジンで3の副作用が出たことについて考えてみると、やはりグローバルで開発を辞め、国内開発のみとした新薬は臨床試験の被験者が少ないので、副作用情報も少ないのでは、とも思われる。

別にどこの会社を応援するとかはないが、今後出てくる薬を含めて、どれを飲みたいですか?と聞かれると、グローバルで開発しているダパグリフロジン、カナグリフロジン、エンパグリフロジンになるだろう。

多くの患者さんで臨床試験をしている安心感があるし、これらの薬はCV Outcome試験もクリアしている。

特にカナグリフロジンはアメリカでバカ売れしている、全身性皮疹は問題になっていない、ということを考えると、全身性皮疹は民族性というよりはイプラグリフロジン特異的なstructure basedな可能性も低くないように感じる。

しばらくすると、他のSGLT2阻害薬のデータも出てくるだろうし、その辺りで他の薬剤との差別化が進むのだろうか。