Pfizer/AstraZeneca (AZ) update
一旦はAstraZenecaが拒絶
Pfizer/AZ関連のニュースが日本語でもいくつか出てくるまで世間でも注目されているようだ。
なんと、ヤフーニュースにまで。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140428-00000118-jij-n_ame&pos=4
一旦はPfizerの約1000億ドルという巨額の提案をAZが拒絶した模様だが、まだまだわからない。
海外のニュースやブログをいくつか覗いてみると、大きく2つの点に注目されているようだ。
1.税金逃れの策
Bloombergの記事を見てみると、PfizerがAZを購入した場合、最も損をする機関はUSの財務省だという。
http://www.bloomberg.com/news/2014-04-28/u-s-treasury-seen-loser-in-tax-avoiding-pfizer-deal.html
PfizerがAZを買収すると、本社はAZがあるUKへ移行することになるらしい。
(もちろん、本社機能というよりは紙面上となるだろう)
その際、USで35%支払っていた法人税はUKでは20 (今年は21)%となり、さらにUKの儲けに課税されるということになり、高沸するR&D費用や株主へのリターンにも回せるようになるようだ。
AppleやAmazonのようにtax havenと呼ばれる場所とまではいかないかもしれないが、Pfizerにとっては、大きな節約となる。
またPfizerの税金が入るとなると、UKとしては歓迎すべきことだろう。
Pfizerが買収を仕掛ける前にUKの国と話し合いをした、というニュースも納得だ。
2.R&Dの効率化とパイプラインの補充
Forbeの記事を見てみると、やはりDevelopmentでお互いのパイラインでかぶってしまうようなものも多く散見されるが、メガファーマ同士なので、これは仕方ないだろう。
http://www.forbes.com/sites/matthewherper/2014/04/28/what-pfizer-would-do-with-astrazenecas-drugs/
こちらは前回の記事でも少し書いたが、癌関連はもちろん、抗炎症、心血管、糖尿、CNSなどのAZのパイプラインもPfizerのパイプラインの拡充に貢献しそうだ。
そして、Pfizerの柱となりうるひとつであるエスタブリッシュ医薬品。
これはいわゆるジェネリックをカッコ良く言っただけのものであるが、ここに特許が切れそうなクレストールをはじめいくつかのAZの薬剤が当てはまると思われる。
さてどうなる?
製薬メーカーに勤めるものとしては、優秀なR&Dの多くの人材がこのようなM&Aで仕事を失うのはとても残念だと思うし、残れた人材のモチベーションもさがってしまうだろう。
日本でも、いつか大手製薬メーカーといわれるような会社がAZのような立場に置かれることも将来的にはあるのだろうか。
個人的にはAZにはもう少し買収されずに頑張ってほしい気がする…
さて、どうなるのだろう。