SGLT2阻害薬副作用update !
SGLT2阻害薬の適正使用に関するrecommendationが公表
www.jds.or.jp/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/uid000025_7265636F6D6D656E646174696F6E5F53474C54322E706466
ここから気になった部分を抜粋しよう。
対象患者について
やはり高齢者には、慎重投与となっている。
脱水などのメカニズムベースとなる副作用を考えると、多くの先生が言っているように、基本的には若い肥満患者がイメージする患者となるだろう。
さらに、体重減少が痩せている人でも起こる薬だという先生もいる。
体重減少というベネフィットが逆に痩せている患者では使いにくいと、結果的には市場を狭めてしまう可能性も考えられる。
そうなると、肥満患者が欧米ほど多くない日本ではDPP4阻害薬のような大きなインパクトはないのかもしれない。
副作用情報-低血糖
この辺りが実臨床での課題かもしれない。
副作用情報-ケトアシドーシス
4例の報告。
少し気になったのが、極端な糖質制限が原因になったものがあったようだ。
近年、糖質制限食を推奨する本が人気を集めており、このブームが糖尿病患者で盛んになると、ケトアシドーシスが増える予感がする。
糖質制限について、極端に良いと書かれた本もあり(しかも著者がお医者さんだったりする)、少し心配だ。
副作用情報-脱水、脳梗塞
脱水は当初から心配されていた副作用で特に夏場は汗もかくことから、特に危険な季節だった。
心血管イベントの可能性の高い高齢者はやはり使いにくい薬ということが示唆される。
副作用情報-皮膚症状
イプラグリフロジンの副作用情報同様、皮膚症状が最も頻度の高い副作用で500例以上となっている。
さらに80例の重症例となり、重症な割合が高い。
これも母数がわからないので、割合としては稀なものかもしれないが、やはり最も注意すべき副作用と言えるだろう。
しかもSGLT2阻害薬間で交差反応性があるようで、これはイプラグリフロジン特有のものではなさそうだ。
臨床試験でほとんどない副作用が最も頻度の高い副作用になるとは、なかなかレアなケースかもしれない。
今後は皮膚症状の有無をバイオマーカーなどで簡便に検査できれば使いやすい薬となるかもしれない。
尿路、性器感染症
こちらは臨床試験の時点で明らかなものであり、これまで同様女性に多いようだ。
以上、recommendationを復習してみた。
まだ発売されて2週間の処方制限がある中での使用なので、患者さんの数は多くないだろうが、新薬にはこのような情報提供がとても大切だろう。